さくらの雲*スカアレットの恋

引用元:きゃべつそふと

評価:C+
大正版アメグレ

■作品の基本情報 (敬称略)
発売:2020年9月25日
メーカー:きゃべつそふと
シナリオ:冬茜トム
原画  :梱枝りこ、よねぞう
SD原画 :しらたま

■キャスト(敬称略)
所長 ・・・・・・・・猫田みけ
不知出 遠子・・・・・相模恋
メリッサ ・・・・・・花宮すい
水神 蓮・・・・・・・如月たま

私は全くノーマークだった2020年9月発売の作品です。ハミダシクリエイティブもそうですが、本作も後から評判を聞いて興味を惹かれた結果の購入となります。こちらのメーカーの作品としては「アメイジング・グレイス」をプレイ済みで、同じメーカー・ライターさんならば私の嗜好とも乖離することはないだろうということで、体験版は未プレイで購入しました。
ライターさんが同じだから似てくるのに不思議はございませんが、「アメイジング・グレイス」をプレイ済みだと割と既視感覚えそうです。だから悪いということはもちろんないですし私も楽しめたのですが、インパクトは少し弱かったような気はしてます。
評価は「C+」にしていますが、気持ち的には限りになく「B」よりの「C++」といったところになるかなぁと。( ++ までつけると際限なくなりそうなので、一旦は + に留めてます。評価はいつか変更するかもしれません。 )

■シナリオ
主人公・風見司は2020年の桜の木の下で本を読んでいた際に、なんの因果か1920年タイムスリップしてしまう。そこで「チェリイ探偵事務所」所長に出会い、話のかみ合わなさから違和感を覚え街を見に行くとそくは大正時代の東京だった。所長が抱えていた猫探しの仕事を手伝い、なんとか未来から来たことをわかってもらえた司は、所長に未来へ帰る方法を探してくれと依頼する。司は「チェリイ探偵事務所」の助手として働きながら所長と共に未来へ戻る方法を探すのであった。

はい、見ての通りタイムスリップものです。よくある題材ではありますが、説得力をだそうとすると結構難しい部類になるかと思います。一通りプレイしましたが、考察班の方からみると色々気になる部分が残りそうです。とはいえ話自体はまとまっているので、あまり深く考える必要はないんじゃないかなと。細かい部分まで筋が通ってないと気が済まない、という人には向いてないような気がします。根幹の設定にタイムスリップが影響はしているものの、そこで展開するドラマを頭空っぽにして楽しみましょう。
ただ、科学的な部分は気にし過ぎてもしょうがないんですが、劇中の言動で気になる部分が後々わかる事実のせいだったりもするので、どこまで気にすればいいのかの切り分けが中々難しいです。
とまぁ、こんな感じでネタバレなしで語るのはかなり難しいので、ここからは全体的にネタバレありでいかせていただきます。
シナリオに限らずでネタバレしますので、気になる方はブラウザバック・閉じるなどをお願いします。

シナリオネタバレ (クリックで開閉します→) 本作はループものという位置づけになると思います。ただし、ループするのはプレイヤー視点でのみで、作中の表現では「枝」として並行世界が展開しているので厳密にはループしていません。一部選択肢による変化がありますが、基本的には一本道です。
共通 → 遠子 → 蓮 → メリッサ → 所長の順に進むんですが、アララギが他の枝を観測し、その枝の司から電報という形で情報をもらい、それを現在観測中の司に渡して目的を達成しようとします。
これを踏まえて、ラストの所長のルートがグランドルートになるんですが、う~ん、、上記の通り並行世界を枝という表現しているので、結局目的達成しているのはそのルートだけで、他の枝では何も解決していないけどそれはいいのか?ってモヤっとしたものが残りました。
それとも観測中以外の世界は消滅しているの??? そうだとすると加藤の立場からするとたまらんですね。。なんて、その辺りは気にしてもしょうがない部分なので、先程も述べた通りドラマを楽しむのが正解なんだろうなぁ。
そういった考察はお好きな方にお任せするとして、アメイジング・グレイスでもそうでしたが、ライターの冬茜トム先生はミスリードと当たり前と思っていることの裏を突くのが上手い作家さんですね。
本作でも、色んなところにちょっとした謎や伏線をさりげなくばらまきつつ、後半のネタばらしではビックリさせてくれるのですが、そのさじ加減は絶妙だと思います。
ただ、冒頭の感想でも述べた通り、アメイジング・グレイスと似た印象を抱いていたので、展開としては二番煎じな感を覚えたのも確かです。アメイジング・グレイスと違って良かったと思った部分は、ヒロインとの関係構築が以前よりはある程度段階踏んでいるように見えたことかなぁ( あくまで前作と比較して )。

最終的に司は未来に帰り、所長は残ることになるんですが、わかっていても切ないですね。無理だろうと歴史を変えてしまおうとも、好きな人のそばには寄り添っていてほしいです。
よくあると言えばよくありますが、グランドエンディング中に各キャラのその後が語られる演出にはにっこり。でも柳楽刑事はCGと内容のギャップで普通に笑う。

■CG
キャラクターは間違いなく可愛いく描かれているんですけど、なんて言うんでしょう。マスコット的な可愛さというか、単体でしか成立しないというか、場面にハマっている感じがあんまりしないんですよね。好みの問題なのかもしれないですが、あとからCGだけ見ている分にはいいけど、物語の中でみるとちょっぴり残念な感じでした。

■キャラクター
割と等身大のキャラクターが揃っているというか、ヒロインよりもサブキャラ、しかも男キャラのほうが目立っていたような気がしちゃうのは気のせいだろうか。。。
だからこそヒロインとのイチャイチャは余計に萌えるものがあったんですが、作品としては加藤とか成田のほうが目立っているよなぁ。
関係ないですけど、OPムービーだけみると、男キャラは漏れなく魔人チームにいるように見えたんですがそれは。

司について、個人的嗜好でショタっぽい主人公ってあんまり好きではないのですが、それ以前に司はあの線の細さで軍属とか嘘でしょう?と思ったのは私だけではないはずです。その伏線のために、いたるところで鍛えているとか意外と筋肉ありますねとか言われていますけど、全然説得力なかったです。

ヒロイン勢はみんな可愛いは可愛いんですが、他作品と比べるとパンチは弱い気がします。物語の展開としてそこまでヒロインとのイチャイチャには重きが置かれていないというのも一つの要因ではあると思いますが、逆の見方をすれば自然に寄り添ってくれているという考えができないこともない。かもしれません。
その割にエッチシーンは連続ではいってきます。

■エロス
まず始めに、真相が明かされるまで、何故どのシーンでも司は手袋つけてるんだよ発注ミスかよ、と思ったことを謝りたいと思います。ごめんなさい。

軽い懺悔はそれくらいにしてエッチシーンについて語りたいんですが、シーン数は各ヒロイン4回 + 所長だけ夢の中のシーンで1つ多くあります。本作のシーンは結構力入っていると思います。思うんですけど、ライターの性癖なのか一部私の好みとは強烈に合わない部分はありました。それも含めてシーンについてはキャラ別に見ていきたいと思います。

◆遠子
本作屈指の乱れっぷりを発揮したエロイン。普段はお嬢様で楚楚としているのにエッチにどはまりして乱れまくるシーンは下半身の私も思わずにっこり。セーラー服をめくって舐めさせてるCGは特に良き。

◆蓮
共通からしてその片鱗は見え隠れしてましたが実はエロキャラ、でもドSキャラ。やたらと司を攻めまくり、1シーンは言葉攻め + 手コキだけで終わるほど攻めに力いれてます。メリッサ・所長のシーンでもややそういう傾向はありますが、蓮は突き抜けてSに徹します。
ん?これ冬茜トム先生の趣味なのかな?残念ながら私はそういう趣味はないので、ひたすらじらしと言葉攻めをする蓮と悶える司見せられてもピクリともしないんですが。

◆メリッサ
ヒロイン中No.1 のサイズを誇る巨乳。普段クールなメリッサが責められて嬌声挙げるシーンは必見。でもせっかく胸が大きいのに司はほとんど胸を攻めることはありません。最後のシーンも胸が隠れるような構図になっていて、せっかくのおっぱいが台無しです。もっとおっぱい攻めろや!!おっぱいは遊びじゃねーんだよ!!!

◆所長
別れが決まっている二人が、短い時を惜しむように1シーンでしつこくやりまくる。最高かよ。爛れたエッチ大好き星人の私は思わずスタンディングオベーション(2重の意味で)。司の変態っぷりも大爆発。

■ボリューム
共通4時間、各ヒロインルートが3時間から4時間くらいになります。可もなく不可もなくで不満はございません。

■クオリティ
まずはコンフィグ周りですが、最低限はそろっていると思います。バックログからのシーンジャンプ有り、ボイス登録機能無し、立ち絵鑑賞画面無し、セリフ途中の表情変化有り。パッケージ版を購入しましたがDMMのダウンロードコードはありませんでした。
気になった部分としては、全体的に演出・画面効果がちょっと弱い気がしました。共通で最初に起こる大震災も文章と演出があっさりしすぎてて、喫茶店の外に出た時のプレイヤーとキャラクターの驚き具合に悪い意味でギャップがあったと思います。あの程度の説明であそこまで街が崩壊しているの?と。また、怪盗のアクションシーンや成田を追い詰めるところなども、文章のみであっさりしすぎている気がするので、もう少し画面側でなんとかしてほしかったです。

キャラゲーというよりは物語を楽しむ作品です。少し不思議な、時代を超えた大正浪漫を是非お楽しみください。

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