9-nine- そらいろそらうたそらのおと

引用：ぱれっと公式HP

評価： B+
紙袋( それ ) は反則だろ

9-nine-シリーズの第二弾になります。
第一弾( EP1 )を発売日に購入した私にとっては１年待ってようやくの第二弾となりました。
あいかわらずこの価格でこのボリューム・クオリティは素晴らしかったです。素晴らしかったんですが、まさか今後も一年単位で出るのか？と当時は不安が頭をよぎりました。初動売上が命と言われているこの業界で、このやり方で1年ごとにエピソードを追加していけばそのタイミングで過去作の購入も見込めるという戦略は確かにありかもしれません。ただ漫然と過去のやり方だけをなぞり、沈みゆく船にしがみついているかのようなメーカーに比べ、新しいやり方を模索し挑戦する姿勢には個人的に非常に好感が持てます。

ただ、ただですよ？ユーザー目線で言わせて頂ければ、1年はちょっと長くありませんか？いや、わかりますよ？ライター・原画家さんが1名ってことは、その部分の作業は分担することもできないし、この作品だけに関わって生活できるわけでもないとか、作品内の季節に合わせているとか、せっかく分作なのに発売スパンが短すぎたらメリットが生かせないとか、きっと色々あるんだろうとは思います。待つ側にしても、1年待ったからこその感動も一入という面は確かにあります。
それにしたって、エピソード4つで4年は。。 人生何があるかもわからないし、途中でアレしてアレしちゃう可能性もあるわけで。。。

まぁ、これはあくまで１ユーザの希望です。今後同じような分作形態をとるにしても、メーカーにとってもユーザーにっても最善となる道を模索していただけると信じて今後も応援していければと思います。

さて、ここからはネタバレを極力しないように感想を。

■シナリオ
EP1で物語の導入は済んでいますので、それを前提として話はさらに展開していきます。登場人物も増えてきて、いよいよ物語的に山場もでてくるのですが、今回ヒロインの妹・天(そら)とのやり取りが全編を通して非常に楽しいものになってます。
EP1が都との初々しい恋模様だったのに対して、本作は兄と妹の気安く遠慮のないやりとり、からの、兄弟の恋愛という禁忌に対する葛藤までを完全完備！
実妹は、シリアスであればいいというわけではない。だからといって、なんの葛藤も障害もなく、ただくっつければいいというわけではない。そんな面倒くs、もとい、こだわりを持った実妹ファンでもきっと満足できる兄妹の形がここにはある！！

あくまでも話の主軸はアーティファクトと呼ばれる異世界のアイテムによってもたらされた超能力と、それによって起きた事件の解決なんですが、そこがしっかりしているからこそ、その他の部分も味わい深いものになるのではないでしょうか。
最後はEP1からなんとなく予想がついていたであろう黒幕が登場し、引きを作って綺麗に終わります。

■CG
一部おや？っと思う表情もありましたが、概ね満足できる高クオリティを維持していると思います。相変わらず翔は眼なしで描かれますが、やっぱりそれが主流なんでしょうかね？個人的には違和感ありありで好きではないです。

■キャラクター
EP1から登場人物も増え、中々に濃いメンツになってきました。各EPのメインヒロインは立ち絵が増えますので、後のEPになるほどキャラクターに動きが出てくるでしょう。
本作でフィーチャーすべきは、なんといっても本作ヒロインの天ですが、テキストの軽妙さと担当声優の沢澤砂羽様の名演技もあって、日常シーンでは相当はっちゃけながらも、ここぞの場面でしっとりした演技の落差にがっちりとユーザの心を掴みにきます。
翔は相変わらず絶叫のシーンがただの絶叫ではなく感情がしっかり乗ってきますし、天との会話は仲のいい兄妹具合にほっこりします。

■エロス
紙袋

■ボリューム
EP1と同じくこの価格では十分満足できる量があります。ただ、価格を抜きにすると1年1作でこれだと少し寂しい。。

■クオリティ
EP1から改善があり、セリフの途中でも表情変化・エフェクトが出るようになったのは嬉しい変化。だけどやっぱり重い部分がありそうで、スムーズにセリフが送れないところもちらほら。前述の通り、EP毎のメインヒロインは立ち絵が追加されていくので、後のEPになるほど画面はにぎやかになりそうです。

■本作品のBKS (ベスト聞いてほしいセリフ)
1位．天：全般 ( 似たようなセリフでも感情含めた変化があるのでスキップ非推奨)
2位．翔：K●Fパロディセリフ (あの一言にも感情入ってます)
3位．都：「バ、バ〇？」( 戸惑い )

9-nine- そらいろそらうたそらのおと