引用元:戯画
評価:C
嫌いじゃないけど何かが足りない
■作品の基本情報 (敬称略)
発売:2020年11月27日
メーカー:戯画
シナリオ:夏目シオ
原画:桐沢さき、葉月玉兎
■キャスト(敬称略)
葛城 七瀬・・・・・・・・花澤さくら
鳥栖 十和子・・・・・・・橘まお
三枝 アヤメ・・・・・・・三枝アヤメ
三枝 ヒナタ・・・・・・・あじ秋刀魚
桜田 杏・・・・・・・・・飴川紫乃
菅野 純子・・・・・・・・鈴谷まや
青海 真珠・・・・・・・・和央きりか
2019年に発売したアイキスの2作目で、戯画のキスシリーズに連なる作品になります。2となっていますが、登場人物は前作からの続投+新キャラ追加という形で、物語的な続編というよりはお話の中盤以降を再構成したようなイメージになります。( ただし、それでボリュームが減ったということはありません。) また、アイキス自体が同じくキスシリーズの「キスアト」の5年後の同学園という舞台でもあるので、話の中に「キスアト」の人物のその後がしれっと語られていたりするため「キスアト」を知っているとニヤリとできる部分もあります。
私は「キスアト」も「アイキス」もプレイ済みで、キスアトが割と好きだったからアイキスも買ってみたという経緯があるのですが、「キスアト」が美術系の学園の中で才能や作品作りに焦点を当てつつの物語だったものに対し、「アイキス」は舞台は同じだけど美術関係の話は少なくイチャイチャに寄せた印象でした。( キスアトが大分前なのでうろ覚えな部分ありますが)。
好みの問題なので、どちらが優れているということはないですが、私としては「キスアト」を期待して「アイキス」を購入しているので、テイストの違いを少し残念に思ったものです。
ではなぜ2も買ったのかといえば、キャラデザのムッチリ感は圧倒的にこちらが好きであったことと、好みとは言えないまでもシナリオに拒否反応もないので期待を込めてということになります。
結論を先に言ってしまえば一言感想の通りなんですが、前作よりはシナリオも少し良かったのかな。
そして最近の戯画作品で触れずにはいられない部分は、やはりVTuberの起用ですかね。これについてはちょっと後にしていつもの感想いきたいと思います。
■シナリオ
本作のシステムがマップ上のキャラ選択で話が進んでいく影響で、他キャラを選択した中でしか語られていない内容が別のキャラ選択や共通部分で当然のように話されるのは、正直気持ち悪いです( 話の整合性や主人公とプレイヤーの認識のずれという意味で )。 シナリオでありクオリティの話でもありますが、こういうところを雑にしているのは印象悪いです。
で、シナリオ自体の話になってくると、冒頭でも少し書きましたが前作よりは好印象です。本来なら前作もプレイして比較したかったのですが、インストールしているPCがクラッシュしてできなくなるという悲しい出来事があったので、あくまで印象とあやふやな記憶からの感想なんですが、前作はルート突入後はほぼほぼイチャイチャ特化でお話らしいお話がなかったイメージなのですが、今回はルート突入後にイチャイチャはありつつもお話にはなっていたような気がするんですよね。
ただ、今回は俺たちの戦いはこれからだエンドが多いというか、話が盛り上がってきたところでぶつ切りで終わらせている感もあるので、そこをもう少し丁寧に描いてもらっていればもっとよかったのにとは思いました。
そしてもう一点、本作はコメディではないので人を選ぶようなギャグとか入ってこないですし、軽快なボケ突っ込みで笑わせるようなテキストでもないため、ルートに入ると興味持てないキャラだと話にも興味持てない度合いが強いんですよね。。
特に個人的に辛かったのは菅野先輩ルートです。先輩自体のキャラクターが「ヒロインとして」好きでないからこそなんですが、話の内容と菅野先輩の人柄や志向を考えると間違ってはいないんでしょうけど、ルート突入力後の付き合うまでの流れが回りくどすぎて少しダレました。
反面、他のキャラクターは好きなので他ルートは楽しめましたし、特に杏先輩の告白シーンはキャラクターの良さがよく出ていて、飴川紫乃さんの演技もよかったので本作お気に入りシーンの一つです。
そう考えると、本作は正しいキャラゲーとはこういうものだというお手本的作品といえるかもしれません。
主人公が修行僧並みに鋼鉄の意思をもっているのは若干好み別れそうですね。
■CG
キャラデザとムッチリ具合に惹かれての購入だったこともあるので、CGは全体的にお気に入りです。個人的にどの作品にもあって欲しい行為後の全裸ピロートークCGはなかったのですが、あると嬉しいウエディングドレスシーンがあったのは良きでした。
エロースなCGでは全体的に大きめの乳輪や下着に拘りが見える部分も大好きです。
だた一点好きじゃない部分は、キャラクターの耳です。素人目線ながら耳って人によって形が違いますし難しい部分ではあると思うんですが、本作の耳はなんか好きじゃないんですよね。。
私の見方が悪いのかもしれませんが、一部では格闘家か?と言いたくなるような潰れた見え方したので、そこはちょっと残念でした。
■キャラクター
出てくるキャラクターは大体好きです。シナリオであんなこと言った菅野先輩もヒロインとして見なければ好きです ( 個人の感想です ) 。
まずサブキャラクターから見ていきますが、前作から引き続きの唯一の男友達キャラである白江が個人的にはかなり好きです。いや、そういう意味じゃなくて。
淡々とした物言いとか主人公との距離感とか造形とか声とか、うまく説明できないけどキャラとしていいんですよね~。だからといって白江にフォーカスした物語が見たいというわけでもなく、サブキャラの立ち位置として最高な友人キャラです。
お次は新規追加キャラの後輩組と同級生。正直同級生側の定本は絡みも少ないので、深堀すればいいもの出そうだけど、本作時点ではモブに近い立ち位置です。
後輩組は七瀬とまとめて出てくるので割と絡むんですが、、、なんで郁枝は攻略対象じゃないんだよ!!!
郁枝はいいよ、郁枝。豊満なバストといい、ゆるふわ感といい、直截な好意の表現とか一見真面目キャラなのに変態とか最高じゃないですか!!
郁枝との濃厚エッチルートが本当に欲しかった(血涙)。
莉子も悪くはないよ。
メインヒロイン勢ですが、まぁみんな好きで一番を決めるのは難しいんですが、今回追加キャラの七瀬を推しておきます。
胸が大きくて、見た目ちょっとギャルっぽいけど根は真面目で、胸が大きい(2回目)CV.花澤さくらさんとかもう最高ですよね。
それだけにエッチシーンがちょっぴり淡白で物足りなかったのは非常に残念でした。。
尚、言うまでもなく杏は大好きです。胸がでかいから。
■エロス
う~ん、、、せっかくキャラクター・CGはよかったのに、テキストはエロくなかったなぁ。本作のシーンは各ヒロインルート毎のシナリオ上のシーンと、マップ上のキャラ選択にあるもしもシーンの2種類あります。
まず、もしもシーンですが、何せ短い。エロシーンをこうして切り離しているからこそヒロインルートのシナリオも話としてまとまっている感はあるんですが、切り出したシーンが短く、かつあまりエロくないってどうなんでしょうね、それ。
シナリオ上のシーンは、もしもシーンより長く尺とっている+シナリオと地続きなため少しはましなんですが、その程度って感じました。
主人公の攻め手が足りないし、各シーンCG1枚で差分だけで終わるパターンの少なさも原因かなぁ。
尚、各ヒロインのシーン数は、基本的に5回で、双子は二人まとめて6回、真珠さんは2回となっています。
郁枝とのぐちょぐちょ濃厚エロシーンが欲しかった…….
■ボリューム
前作部分が4時間、各ヒロインのルートが1時間30分から2時間前後、マップのシナリオ選択部分が全部合わせて7時間から8時間くらいなので、ボリュームでみるとそれなりにあるんですが、体感的にはそんなに長いイメージないです。マップ選択部分は共通シナリオもあって、一人目の攻略はともかく攻略対象ヒロインを軸にして進めていると二人目以降はスキップも多用するしそんなに長い感じはしません。
■クオリティ
まず基本的なコンフィグや演出・画面効果回りについて、お気に入りボイス登録なし、立ち絵鑑賞画面なし、イベントごと回想モードあり、セリフ途中の表情変化あり、キャラクターのエフェクトあり(汗やハート等) ですかね。イベントモードは無駄なセーブポイント作らなくていいんですが、ASa Project のようにそのまま継続してストーリー続けるか選択できると嬉しいです。マウスやタッチパネルなどのUI周りの設定ができるのも利用者にはよさそうですが、生憎PC以外でプレイすることがない私には何とも言えないところです。
画面エフェクトについて、戸惑いや焦りを表す汗の表現がでるときに背景が黒系だとエフェクト目立たないので折角入れるならその辺意識欲しかったです。
目立つ誤字脱字等はありませんでしたが、 七瀬とのシーンで床で寝ている主人公に襲い掛かってる場面のはずなのにCGがベッドになっているというテキストとの齟齬が発生しているのは気になりました。シナリオの部分でも触れた部分も含めて、目くじらを立てるほどでもないけれど、少し雑というかチェックが甘く見えるの残念でしたね。
そして、最近の戯画作品では触れずにはいられない部分、VTuberの起用です。色々な意見があると思いますが、これもその意見の一つであり、誰かの意見や好みを否定するものではないということをまずは明言しておきます。
大前提として、作品として、商品として出している以上、各人の思いや努力など消費者にとって関係ない部分はどうでもよく、一定以上のクオリティに達していないものを他を差し置いて出すことには賛同できません。VTuberに対する好き嫌いはおいておいて、極論すればニートであろうが俳優であろうがアイドルであろうが政治家であろうが、上手ければ・違和感なければいいというのが私のスタンスです。
その意味で、作品のOP/EDに作中キャラでもない誰ともしれないVTuberのキャラソン・カラオケを持ってこられると正直なところ残念です。
今回のOPはまだいいです。本作のための曲ですし、雰囲気重視で違和感ってほどでもないです。でもEDはどうなんでしょうか。物語が終わって余韻に浸るべきところで流れてきたのが過去の戯画作品の曲で、しかも誰とも知れない人のカラオケってありですか?
VTuber人気にあやかって売り上げ伸ばそうという企業努力だと言われれば一定の理解はできますけど、肝心の作品のクオリティを下げてまでやることなのかは大いに疑問ですし、ファンでもなんでもない身からするとできれば遠慮したいです。
と、他にも言いたいことはあるのですが、横道にそれそうなので別の機会にしたいと思います。
気を取り直して本作をまとめると、好きなキャラクターがいれば楽しめる、買って損はないけどもう一つ及ばなかったキャラゲーです。