恋愛×ロワイアル

引用元：ASa Project

評価：D+
主人公きっつ

私の個人的印象としては、ASa Project の作品の特徴は立ち絵の顔芸と、タイトルでコンセプトをわかりやすく打ち出しているというキャラゲーメーカーです。舞台設定はタイトル通りだけど、中身はなんだかなぁというシナリオが多かった気がしているので積極的に購入はしないんですが、前作の「恋愛、借りちゃいました」が割と好きだったので今回も購入してみました。
結構同じことを何度か繰り返しているのですが、少しでも不安がある場合はやっぱり体験版をやるべきなんだというのを再確認したというのが最終的な感想です。・・・何故歴史は繰り返されるのか。
「恋愛0キロメートル」が面白かったので「プラマイウォーズ」を買ってはがっかりし、「恋愛、借りちゃいました」が面白かったので「恋愛×ロワイアル」買ったら・・・。

最近「Ｄ+」をつけた作品はそもそも製品としてダメだろうという意味も込みでその評価なのですが、本作は製品としては成立しているのに「Ｄ+」をつけた部分でどれだけ私と合わなかったのか察して貰えると幸いです。その為、感想は大分辛口かもしれません。
低い評価つけた時は毎回書いてしまうかもしれませんが、これはあくまで私の感想なので他の誰かの意見・感想を否定するものではございません。
尚、ややネタバレしている部分もありますが、物語的に致命的でもない気がしているので特に隠しておりません。何一つネタバレを見たくないという方はご遠慮ください。

■シナリオ
おそらく、主人公が全く魅力的に見えないという土台からして破綻していることが原因で、全てがダメに感じているということは大いにありそうです。
プラス、メインヒロインは軒並み変人しかいません ( メインヒロイン以外も大体おかしいです ) 。何かバックボーンがあっておかしいならまだわかりますが、見る限り特に理由もなく頭おかしい人でしかないので、見ていられないというのが率直なところです。
他の作品であれば、ここまで拒否反応が出ることはないと思うんですが(特に汐音とか蓮菜とか)、ギャグセンスが合わない＋この主人公を取り合うという構図が全く理解できないという部分でヒロインに対するマイナスイメージが大分強くなっていることをご理解いただけますと幸いです。
話の緩急もあまりなく、だらだらと変人たちのやり取りを見せられ続けるので、クリック速度にも磨きがかかるというものです。
恋の争奪戦と題してますが、プラス要素になるようなことをしている人はほぼおらず、主人公がヒロインとどこかに出かけたりすると、それ以外のヒロインズが後をつけてごちゃごちゃ言いあっているの毎回見せられてうんざりします。争奪戦ってそういうことじゃないだろ。
また、メインキャラとして紹介されているヒロインは全然メインヒロインしてなくて、一見サブキャラに見える位置で紹介されている由奈がメインヒロイン扱いと言っても過言ではありません。なんだこれ。
各ヒロイン個別ルートに入ったところで、共通とやっていることはほぼ変わらないので特別個別ルートに言及する必要もないと思います。

■CG
可愛いと思ったのはまりのサンタコスＣＧとウェディングドレスＣＧ、まりと汐音は裸のピロートークＣＧがあったのも良きでした。
蓮菜のエッチシーンＣＧでは、何故か蓮菜が脱ぐ前に主人公が常に全裸になっているのが笑えます。なんでお前が先に全裸やねん。
気になった部分では複数原画家だからなのか、ちょいちょい主人公の顔が中途半端なのっぺらぼうになっていて手抜き感が見えるのが嫌でした。

■キャラクター
前述の通り、登場人物は変人の集まりです。変人なりの筋が通っているとか、何らかの原因があってそこも掘り下げられるとかそういうのではなくて、普通におかしいです。シリアスシーンがなさすぎるのもそう思う要因の一つだとは思います。

本当にごく少数モブがいますが、フルボイスではないので音声は当てられていなく目立ちません。蓮菜と由奈のアイドルグループには他のメンバーもいるのですが、それすらほぼ出てこなくて声もないのでいないも同然なのに、なぜデュオじゃなくてグループにしたのか不明。メッセージウィンドウの名前部分すら「？？？」で終わる悲しいメンバー達。。
シナリオについてはルート毎の感想を書いていないので、キャラクターは個別で感想述べたいと思います。

◆まり
ひたすら幼馴染であることをアピールする。誰かのルートに入っても変わらずに。なんで主人公の家に居候しているのか不明 ( 軽く説明はありましたが理解できないという意味で )。対まり及びまり自身のピンク髪ネタがしつこすぎて胸やけ。
声優は木之みきさんです。最近よくお耳にする、カレーが不味そうなキャラをやりそうなお声の方で、演技に関しては申し分ないと思うのにシナリオ・テキストが合わなすぎてキツイ。
告白シーンの「やったー」とその後の演技は特に好きでした。

◆汐音
本当は何でもできる完璧超人っぽいのにそれらしさを発揮する場面はほぼなしの無駄スペック。でも巨乳だからヨシ。ぷくれる汐音は可愛い、異論は認めない。汐音関連だけ選択肢が汐音目線だったのは面白かった。メイドの蒼と常にセットで、主人公の絡まないふたりの寸劇は本作の癒し。個人的にエッチシーンは汐音と蒼のワンツーフィニッシュだと思う。

◆乃々香
スタンスがよくわからないけど、ナイスバディの妹ちゃん。本作のキャラは大分低音で演じていらっしゃる杏子御津さんですが、例によってシナリオ・テキストがきつすぎてキャラもきつい。外見は好きなんですが、エッチシーンはなんだかいまいち印象に残りませんでした。
実の兄妹の恋愛なのに子供を産んだところは本作随一の評価ポイント。
(尚、乃々香のおちん連呼の部分をボイス登録しましたごめんなさい。)

◆蓮菜
ヒロインの中では比較的まともに見える人。主人公に振られて泣く部分の演技がすごく良かったのに、他ヒロインと同様に振られた後も何事もなかったようにまとわりついてがっかり感がすごい。他ヒロインにも言えることですが、諦めないなら諦めないでもう少しはっきり行動するなりして他作品との差別化を図ってほしかった。ぶりっこキャラのキャラ付けなのか、語尾を延ばす話し方はもしかしたら受けつけない人がいるかもしれません。エッチシーンの挿入は多いけど一番う～ん、、、な人。

◆由奈
立ち位置的にはメインヒロインポジションと言われても全く違和感はない。他ヒロインと比較してまともに見えるだけに、なんでサブ扱いで紹介されているのかよくわからない人。そうはいっても個別ルートのお話は他と大差ないので結局はがっかりヒロイン。別れた経緯とかその後の動きとかわからなくもないですが、主人公がアレすぎて以下略。

◆浩孝(主人公)
作品のＨＰでは「天然ジゴロサイコパス」と紹介されていますが、笑い抜きで普通に言動がサイコパスだったのはある意味斬新でした。何度も繰り返しますが、この主人公に魅力を見いだせなかったので、物語が根底から成立しません (私の中で)。
天然ジゴロ部分は見当たりませんし、というかどうしてそうなるのか理解できません。その上、当の主人公が自分はモテるのはわかっていると言わんばかりの振る舞いなので、プレイヤー( 私 )からみたら頭がおかしくなりそうです。
一見普通に見せていながらここまで振り切っている主人公は久しぶりに見ました。

これらヒロイン・主人公よりよっぽどまともな、愛・育代をメインに据えてまじめに恋愛したらよかったのにと思いましたが、そもそも主人公以下略。

■エロス
挿入していないシーンも含めてエッチなシーンはギャラリーで見れますが、その回数はキャラ別で、まり×7 / 汐音×5 / 乃々香×5 / 蓮菜×6 / 由奈×3 / 育代-愛-蒼-千弥？×1 です。
汐音・蒼それぞれのシーンは良かったんですが、他は、、、どうだったかな。主人公が１人だけ先に全裸だったり、顔が中途半端に書いてあったりなかったりで統一性ないしあんまりよい印象は残ってないのが正直なところです。
愛に至っては乳の一つも出さずにＴシャツにパンツで寝転がっているところに後ろからだからモザイクの出る幕もなしという誰得のシーンかわかりません。
千弥？のシーン作るくらいなら、蓮菜ママを入れろ!!

■ボリューム
共通4時間、メインヒロインルートが2時間前後、由奈ルートが少し短くて１時間前後、サブキャラルートが30分くらいですかね。共通が終わった頃にはもう駄目だと思っていたので、各ヒロインルートは目が滑っていってやや早回しになったかもしれません。

■クオリティ
ASa Project のシステム周りは割と好きです。無駄にセーブポイントを作らなくてもイベント鑑賞で好きな場面から始められます。基本的なところではセリフ途中の表情変化あり、ボイス登録機能あり、立ち絵鑑賞画面ありと隙がありません。また、セーブ画面では各セーブデータにトータルプレイ時間が記録されていたのも地味に嬉しいです。
残念ながらパッケージ版購入でＤＭＭのダウンロードコードは付属されていませんでしたが、それでもシステムや製品周りについては満足です。
立ち絵の顔芸はもはやお家芸になっていると思いますが、多用しすぎでインパクトに欠けます。
このように製品的な不備はないんですが、致命的にシナリオが合いませんでしたね。( 過去作でもむしろマッチしたのが少ないですが。)

主人公やヒロインズの言動に不満はない、むしろ合う。という人向けなので、迷っている方は体験版をプレイすることを強くお奨めします。