ガラス姫と鏡の従者

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評価:C+
キャラゲーの皮を被ったシナリオゲー
の皮を被ったキャラゲー

■作品の基本情報 (敬称略)
発売:2021年1月29日
メーカー:戯画
シナリオ:籐太
原画:有末つかさ、Syroh、のいと(SD原画)

■キャスト(敬称略)
ベルナデッド・ヘンリエッタ・アイゼルストン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・月野きいろ
アンリ=フランシス・ラ・ベルナールド ・・柚原みう
佐々良 織姫・・・・・・・・・・・・・・・藤崎紗矢香
城釜 奈緒美・・・・・・・・・・・・・・・猫村ゆき

2021年1本目の作品はこちら。シナリオは「タマユラミライ」の籐太先生だし、推しの月野きいろ様がセンターヒロインだったりと2020年から個人的には密かに大分期待してた本作。発売前からTwitterのキャンペーンに乗っかったりしてなんとか声優さんのサインをゲットしようと頑張ってましたが、残念ながら当選は果たせませんでした。。
発売日当時は仕事も休みにして朝から製品の到着を心待ちにするほどのワクワクは久しぶりでした。購入したロイヤルエディションは一部では鈍器と評されるほどのずっしり具合で特典は盛々です。その中でも「サンドリヨン学園 学園案内」はライター・原画家・声優さんのインタビューで解説・見どころにも触れているのでファンにはおススメの一品。
終わってみるとサクサク終わった印象のわりにプレイ時間はそれなりで、そのはずなのにやや駆け足感を覚えるという不思議な感覚です。
一部思っていたのと違ったのは、姫と従者という関係性はそこまで感じられないというか、もう少し「サンドリヨン学園」とそこにいる従者と王侯貴族という世界観に触れたかったもの足りなさはあります。

ここから下はもっとネタバレありでいきますので、ネタバレ見たくない方はブラウザバックなりしていただけますようお願いします。




シナリオ
それぞれのルートで展開はガラッと変わるので飽きがこない作りになっています。それでいて各ルートのエピローグ前のクライマックスが、ゲーム内日付のだいたい同じ頃に収束するので、各ルートのできごとを把握していると裏で起こっているであろう出来事にも思いを馳せることができ、物語をより一層楽しめるかもしれません。こういう部分はルート選択で別の物語を見ることができるゲームならではの楽しみではないでしょうか?
冒頭でも少し触れましたが、「従者」という部分の触れ方がちょっと駆け足すぎに見えたのは残念でした。あんまり従者っぽい仕草や仕事にフォーカスされませんし、ロイヤルサーヴァントの資格とやらも1年生の取得は難しいと言葉では説明されてますが、あっさり取れているように見えるあたり、ありがたみが感じられなくてヒロインのそばにいさせるためのちょっと長い説明くらいに感じます。
それはそれで事実そうなんでしょうが、難しいことに挑戦する主人公の頑張りをもう少し感じられると、ヒロインへの強い思いもみれて感情移入もしやすかったように思います。
そして我らが主人公の駿介は、好青年は好青年なんでしょうけど、最初のやさぐれ状態が完全に自己責任だし物語が動き出してからの頑張りもはしょられ気味というかあっさりしすぎてて、今一つ頼りがいがないというのが正直なところ。また、怪我や運動に関する身体周りの作用がどれも現実離れしすぎているのもあまり好きになれない部分ではあります。負ったはずの怪我のわりにピンピンしていたり、短期間であまりに能力が急成長しすぎてたりね。。割とファンタジー要素は薄目のはずなのになんでそこだけ現実離れしすぎているのかと。気持ちの面では熱いいい男なんですが。
まぁ、そんな駿介が仕えるべき主人を定めてロイヤルサーヴァントの資格取ろうとするところあたりでルートが分岐するのですが、そこから先はぜひともプレイしていただきたいので簡単に各ルートについて触れると、

◇ベルルート
サブキャラも含めてほとんどの人が関わる本作でも根幹を担うルート。ただし、説明が多いし、カタカナの人名に馴染みがないからすんなり頭に入ってこないし、なのに言葉で説明されるだけの人が多いしで一回やっただけではすっきりしなそう。全ルート終了後、特に奈緒美ルート後にもう一度プレイするのをおススメします。ストーリー自体が面白いかと問われると正直微妙。評価は割れそうだが、ベルが尊いのは間違いないし、ベルの愛しさを堪能できるから文句はない。レオ様も大活躍。

◇アンナ(アンリ) ルート
シンプルに可愛いアンナを堪能できるルート。アンナ可愛いよアンナ。

◇織姫ルート
オタサーの姫は情報通。怒られてシュンとする織姫たんペロペロ。このルートやって思いましたけど、他ルートでもロイヤルサーヴァントとかなくても良かったんじゃない?

◇奈緒美ルート
急にSF ( 少し不思議) 。 完全にテイストが違ってくるので口直しにどうぞ。ここからベルルートにつながるけどそんなことはどうでもいいくらいに奈緒美はでかい。そして嫁。

■CG
原画家さん2名なので、それぞれの担当キャラでまぁまぁテイストが違います。でも公式HPやパッケージを見てもらえればわかりますが、一画面に収まっていても違和感は抱きづらい不思議な親和性があります。
個人的大好きシチュエーションの事後のピロートークシーンが色んなパターンであったのは非常に嬉しいです。ダンスシーンもこの作品ならではといった感じで非常に良きでした。でもお気に入りは、奈緒美登場シーンのストッキングの向こうに見えるパンツでFA。
1点気になったのは、全体的に間違いなく可愛いは可愛いんですが、絵としてみると気になってしまう部分がないこともない。( カップを抑える手が変だとか、駿介の体が鍛えてる割に細すぎるとか )

キャラクター
全ヒロイン胸が素晴らしく大きい・・・。
全ヒロイン、胸が素晴らしく大きい!!!( とても大事なこと )
サブキャラもいいとか、出てくるキャラクターみんな味があるとか、そういう話の入り方を吹き飛ばすほどに大事なことなので、思わずヒロインの胸の大きさから言及してしまいました。
公式HPのトップとかロイヤルエディションのパッケージを見ればわかりますが、とにかく全ヒロインの胸部が誇る圧倒的戦力の前に言葉は不要です。

でかい!!!

まぁそれはそれとして各キャラクターを見ていきますが、まずサブキャラです。
なんでしょう、、作品舞台の規模の割にサブキャラは少ない、かつ掘り下げが少ないように感じました。多分籐太先生のタマユラミライが頭の片隅にあったからかもなのですが、各キャラ個性があっていい味だしているのに物足りないと感じている私がいます。
特にエラ様はもうちょっと踏み込んで欲しかったし、エラ様ルートがないなんて。。。
エラ様とレオポルトの関係性も好きなんですけど、レオポルトには自分の嗜好を大事にしてもらいたいのでね。

ここからはヒロイン毎に感想を。

◇ベルナデッド
籐太先生の推奨攻略順だと ベル→ アンリ → 織姫 → 奈緒美 なので、ベルルートに最初に入ったんですけど、これはいかんでしょ。上記の通り進めて奈緒美の後にもう一回ベルをやるっていうのは内容的に凄くわかるんですけど、ベルルートに最初に入っちゃったらベルが愛しすぎて他のルートいけなくなる呪縛ががががが。
公式のキャラクター紹介でツンデレと言われてますが、いやいやそんな単純なものじゃないんですよ。子供の頃の主人公との一度の邂逅を大切にしているいじらしさ、感情を上手く表現できないことを悩んでいる年相応な部分を持ちながらも立場によるしがらみから脱することができない苦悩、そんな中でも友人や恋人ができることで徐々に見えてくる素直さや可愛さがとにかく愛おしい。
また、月野きいろさんの演技がそういった複雑な感情をすごく上手に表現していて、ベルが笑っているとすごく嬉しくなってしまうんです。
つまり、ベルルートに最初に入ると他ルートを選ぶ段階になってベルが悲しむ顔を想像して選べなくなるというね。この葛藤はルート外ヒロインに対するエロゲあるあるだとは思いますが、それでも他ルートに行きづらいぃぃぃ。
そんなベルのお気に入りシーンはたくさんありますが、あえて本編からは外れた部分を紹介すると、駿介とアンリを男同士カップルとみていて、遠くの木の陰から覗きながらの一言「尊い・・・。」に爆笑します。
そして胸が大きい。

◇アンナ(アンリ)
正統派のとにかく可愛いヒロイン。まっすぐな可愛さは本作随一で、小さくて胸が大きいだけでも優勝なのに柚原みうさんの演技も相まって可愛さが限界突破。ここまで書くと胸に目が行きがちですが、立ち絵の腰回りのエロさも見てほしいポイント。おっぱい星人の私も思わず唸り声をあげるエロさ。いいからやれ。
また、柚原みうさんによるアンリ・アンナの双子の演じ分けもぜひ見てもらいたい。
繰り返すが胸が大きい。

◇織姫
ギャップがずる過ぎません?普段の痛い織姫もそれはそれで味があってすごくいいんですが、ある場面から出始める幼い織姫が普段の言動との落差で強烈な破壊力を発揮します。一粒で二度おいしい贅沢なキャラクターに仕上がってます。
すごく胸が大きい。

◇奈緒美
最胸の嫁。でかすぎだろいいぞもっとやれ!!

■エロス
ベルとアンリが3回、織姫と奈緒美が4回ずつです。シチュエーションもバラエティー豊かですし、胸は大きいし、アンリは可愛いしで良いところはすごく良いです。奈緒美の陥没乳首には全私が歓喜しました。
ただ、それら良いシーン以上に悪い意味でインパクトを残した部分があります。

私としても1シーンで複数回発射でどろどろになるまで、、っていうシーンが大好きなんですけど、本作はそれを変な形で義務化しています。各ヒロインのシーンに必ず1つ組み込まれたそれは、正直ただの記号というか、う~ん、、、あんまり嬉しくないしエロくないし酷いことになってます。テキストはただのテンプレートで、精子の描画もやけに独立したゼリーみたいで違和感しかないし、テキストもCGもただの手抜きですよね、これ。なんで入れたの?
普通のシーンが終わったと思ったら、その後どこどこで何回、どこどこで何回したってなろうの修行シーンばりの説明に合わせてそれまでに出てきたCGを使いまわして何回もやりましたーみたいの見せられてポカーンとします。CGを使いまわすにしてもお風呂に入ったり裸でさんざんHした後にまた服着るとかあります?100歩譲って脱いだ後にまた着てするにしても、複数回目だから着崩れてヨレヨレにするとか、回数の説明だけじゃなくて複数回Hしたことでへばっているヒロインのセリフを一言二言入れるとか、もっとやりようありませんかね!? 最初に見たときは駿介絶倫すぎるだろって感想持ちましたけど、次のヒロインでも同じパターンがあった時は、ん?その次のヒロインでもあった時は、あぁ、はいはい。最後のヒロインでは無言でクリック連打しましたよこんなの。絶倫とかたくさん愛し合ったことを表現したかったにしても回数に合わせた表現や少しでもセリフを入れるなりすればもっと違った見え方もしたのに、全ヒロイン同じやり方ではむしろ手抜きでやる気のないメーカーという印象しかもちません。( 個人の感想です )

上記以外は普通です。普通に良いと思います。

■ボリューム
共通4時間、各ヒロインのルートが3時間30分から4時間くらいです。後から見返してみたらそれなりに時間かかっていたんですが、プレイ中はむしろ駆け足に感じていたくらいなので結構熱中していたようです。先に述べたようにサブキャラとか舞台の掘り下げがもう少し欲しかったくらいです。

■クオリティ
コンフィグ周りについては最低限はそろっていますが、立ち絵鑑賞機能なし、ボイス登録機能なし、戯画でよくあるイベントモード機能 ( エッチシーン以外の回想 ) もないですね。DMMのダウンロードもございません。こうしてみると本当に最小限しか揃っていないようにも見えますね。ただ、タッチパッドやキーボード、ゲームパッドやマウスジェスチャーの機能割り当てはあるので、プレイを快適にするための機能はあります。
コンフィグ周りはそれでいいとして、製品としてどうかという部分について言及すると、まずは初歩的なバグが残ったままリリースされています。アイキャッチ的に入る「~従者」みたいな今の肩書を示す場面があるのですが、一部でその文字の前に奈緒美の立ち絵が被って文字が見えなくなってました。これは普通に通しでプレイしていれば誰でも気づく不具合なので、こんなの見落としている体制に疑問を覚えます。また、バグではないですが、本作はデフォルトだとメッセージウィンドウがほぼ透過状態で文章が背景の上に直接載っているので非常に読みづらいです。設定でメッセージウィンドウを濃くできますが、それでも透過率高くて目が疲れます。
なんというか、いい加減な部分が目について作品を良くしようという姿勢が感じられません。
それはもう一つの大きな問題も含めての感想です。

前回の戯画作品感想でも触れたVTuber 問題です。

これについてはどう言い繕っても肯定的な意見は出せないので反転させます。
私の率直な感想がただ見たいっていう人だけ見てください。あくまで一感想ですが、言葉もよくないのでおススメはしません。
↓↓↓ ここから反転 ↓↓↓

その問題に触れる前に明言しておきますが、これはあくまで私個人の感想です。誰かの意見や好みを否定するものではございません。

アイキス2の感想の時も触れましたが、本作でも触れずにはいられません。普通にプレイしていれば流れますし、本作に興味を持った方はTwitterや各通販サイトで目にしたであろう本作のOPです。
今回のOPはさすがにかなりびっくりした。既に事前に一度聞いていましたが、普通にプレイして物語が盛り上がってきたところで挿入されたOPで冷や水ぶっかけられた気分です。もう本当に誰を使おうが勝手ですし肩書なんてなんでもいいですけど、できない人間を使うのやめろって。思わず口悪くなりましたけど、いくらなんでも今回のはちょっと酷いと思います。曲自体歌うのが難しい部類で、綺麗に聞こえれば変則が気持ちいいんでしょうけど、あの歌を上手いと思うのはいくらなんでも少数派だと思います。先にあげたバグのチェックやメッセージウィンドウ、一部のHシーンの件も合わせて、作品のクオリティを良くしようという意識・姿勢がまるで見えません。本当お願いなのでわざわざ関係ないVTuber使うなら初回特典のCDにでもして本来のOPとは分けてください。VTuber ファンに買わせるのが目的ならそっちのほうが希望に合致すると思います。

大分ヘイトが溜まりましたが気を通りなおして

↑↑↑ ここまで反転 ↑↑↑
まとめると、ガラス姫と鏡の従者はどちらかといえばキャラゲー寄りでスラスラ読めてボリュームもある作品なので、ヒロインが気になる人は買って損はないと思います。

ガラス姫と鏡の従者

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