思い出抱えてアイにコイ!!

(C) 2021 HOOKSOFT

評価：B
幼馴染全員可愛いとかずるい

前回記事を書いたのが８月２０日。そしてこれを書いているのが１０月２４日。。。
できれば２週間スパンで１記事あげたいとかいった幻想はどこへいったのか丸々２ヶ月もの時間が経過しております生まれてきてすみません。
ダメな大人然と忙しかったという言い訳を盾に放置していたわけですが、楽しみな新作もどんどんと出てきておりますので、この辺りで心機一転また書いていきたい所存です。

そんなわけで久しぶりの更新第１弾は９月の私的最注目作のこちら「思い出抱えてアイにコイ!!」です。
もうこれはコンセプトを見た時から期待し、即予約しておりました。子供パートで幼少期の思い出を描き、再会した学園で変わった部分と変わらない部分描きながら恋をする。いやぁ～、いいですねぇ。ただただイチャイチャするだけのキャラゲーも嫌いじゃないですが、やはりこういうバックボーンというか互いの関係の下地になるものがあるとより一層物語に没入できますよね。古いギャルゲーマーの方の中には、本作のこの部分を指してとき〇モ２を思い出す方も多いようですが、思い出イベントはやはり萌えます。
作品の感想を文章にするようになって自分の嗜好が再確認できたのですが、どの作品にも言えることではありますが特にこういうキャラゲーでは主人公を好きになれるかが私的にかなり重要です。即予約はしてみたものの、その一点だけが不安と言えば不安だったのですが、幸いにして本作主人公の晴輝は何もしてないのにひたすら周囲から優しいを連呼される空っぽ主人公じゃなくて本当に良かった！ ( 例によって体験版未プレイでした )
それではいつもの通り感想行きたいと思いますが、ネタバレありますので全く気にしない方以外はブラウザバックなりで見ないようにご注意ください。

■シナリオ
冒頭でも書きましたが、幼少期の関係性あっての再会した学園時代、いいですねぇ。これのいいところは子供時代にあったイベントを描くことで個々の関係性をより深く描けますし、各キャラクターを構成する要素に厚みを持たせられることだと思います。そのキャラクターがどういう人物なのかを知るとより感情移入できますし、思い出があると恋が成就した時に感慨深さを得られ、受け手の感情＝達成感や良かったなぁと思う気持ち等をより豊かにしてくれますよね。そこにプラスして子供時代があっての学園時代の幼馴染達の変化です。もう見た目の変化だけでも大分ドラマがありますが、さらに過去から変わらない部分を恋人になった主人公と共に変えていくとかずるいじゃん。
ヒロイン全員が幼馴染だからこそ同じように厚みを持たせられるという気がするので、他の作品に同様のものを求めるのは難しいでしょうし、その点で本作はコンセプトの大勝利だと思います。
主人公たちが再会することになる本編共通パートでは再会したヒロイン達の現状や関係性のちょっとした変化も見せつつ気になるヒロインと仲を深めていくわけですが、ヒロインと1対1の下校パートがちょうどよいアクセントになってます。ただ、求めすぎだとは思いますが、下校時のヒロインの動きや背景とかもう少し下校っぽさを頑張って欲しかった気持ちもなくはないです。
ここからは各ヒロイン毎のルートについて簡単に触れたいと思います。
尚、共通パートで一番好きだったのは、主人公が女子と予定が入るかもと言った時のヒロイン達の「！？」×２周が演技も含めて最高でした。( オチの花澤さくらさんの演技も秀逸です。特に「え？」の部分。 )

◇兎毬
ヒロインの中で唯一子供時代から明確に主人公が好きな感じ出まくっているのでだいたいわかってましたけど、兎毬はヒロインの中でも特殊というか特別扱いです。子供時代の選択肢でのルートロックすらありますし、EDが他ヒロインとは違います。
私的にも兎毬は先に攻略したら他のヒロインルートいけなくなりそうだったので攻略順を最後にしたのですが正解でした。
そして兎毬が抱える問題ですが、、これ問題自体はいいんですけど尺が足りなさすぎませんかね。。やりたいことはわかるんですけど、展開が駆け足すぎて感情がついていかなかったというのが正直な感想です。欲を言えば主人公の選択ももっと悩むくらいじっくり描いてほしかったですし、選んだ通りの結果になってほしかった。
私と同じ感想をもつ人もいるでしょうけど、あれで良かったという人もいるだろうと思いますので、その意味でユーザに影響を与える刺激があるのは間違いないです。
兎毬ルートをプレイ後にもう一周共通パートをやりたくなるのは良き。

◇千聖
◇郁
◇優菜
この３人はシナリオ上特筆していうことはないです。
悪い意味じゃなくて彼女たちと恋人になってからの日々を存分に楽しめます。

◇静流
なんか他のヒロインと比べると扱い雑じゃありません？
雑に感じるのは静流ルートのある出来事について私が軽視しているからなのか、共感できていないからなのか。
スッと終わってエピローグもフッと終わります。

■CG
全体的に美麗なCGが揃っているんですが、まず何よりも言いたいのは全ヒロイン私の大好きな全裸ピロートークCGを完備しているとかHOOKSOFTさんわかってますね！！
そうなんですよ、エッチした後のイチャイチャが欲しいですし、なんなら終わった後もすぐ抜かないで欲しいんですよ！！
まぁその辺りは後述するとして、ピロートークCGは最高でした。本当に全部いいんですが特に好きだったのは郁と静流で、めちゃくちゃイチャイチャ感あるので是非見てもらいたいです。他にも私の大好物の数年後のママになったヒロインと子供とか最高過ぎませんか？　ただこれ非常に良いんですが、一つだけ要望を言わせていただけると千聖のエピローグCGではあった指輪が郁のエピローグにはないんですよ。そこだけは非常に残念でした。当然のようにシーンごとで下着が違うくらいには丁寧に作っていらっしゃるので、もしかしたら指輪がないのも裏設定があるのかもしれませんけど、ね。( ついでに言うと静流の最初のシーンでCGが切り替わると下着の色が変わってますが、塗り忘れてません？ )
そして根本的なところですが、原画家さんが１名ですとやはり統一感があっていいですね。制作的にはシナリオも含めて複数体制の方が各人の負担が減って楽は楽なんでしょうけど、可能な限り整合性・統一感の意味で少人数、できれば各１名体制は非常に嬉しいです。
そしてさらにCGでもう一つおススメしたい部分なんですが、１枚だけですが主人公の顔がはっきり映っています。しかもイケメンっていうか、なんかすごい男前！！( 笑)　これは幼馴染のもう一人の男である琢磨が見向きもされないのはしょうがない。
私は主人公もビジュアル設定されててほしい派閥なのでこれは嬉しいです。せっかく原画家さん１名だったので、ぜいたくを言えば立ち絵から他CGまで全部顔ありでほしかったくらいです。

■キャラクター
とにかくサブキャラが濃い。主人公と同じクラスに立ち絵のあるサブキャラクターが琢磨以外４人もいて、しかもそれぞれ制服以外の立ち絵まである充実っぷり。
そして琢磨とババァはサブキャラというか準レギュラーというか、幼馴染グループの人間になくてはならない人達で、役者さんの演技もすごく好きです。琢磨については本編始まってからもう少し絡みがあっても良かったんじゃないかと思いますが、これは贅沢な願いかもしれません。
それはさておき、今回はヒロイン勢が本当に全員可愛いんです。特に良かったと思うのは声優さんのキャスティングで、それぞれ違った持ち味の声・演技の人が絶妙なバランスで揃っていると感じました。一番好きなヒロイン一人選べと言われたら本作程悩むことないなというくらいみんながいい。個人的にあまりご縁がなかったことも影響してしているかもしれませんが、千聖役の七瀬こよりさんと優菜役の七種結花さんがヒロインの中ではいい意味で溶け込んでなく、よいアクセントになっていたと思います。
それではヒロイン毎の感想を。

◇兎毬
ルートに入ったら他ルートに行けなくなる人が多発するであろうヒロイン筆頭です。もう子供時代から主人公大好きすぎるのが目に見えている正統派幼馴染ヒロイン。恋人になってから晴輝呼びになるのはシナリオ上わからなくもないけど、ハル君呼びでいてほしかった。
兎毬役の実羽ゆうきさんの子供時代の泣き演技は必聴です。
尚、胸はでかい。

◇千聖
他のヒロインもそうなんですが、子供時代・再会後の状態があっての恋人展開が可愛すぎるんですわ。千聖は特に可愛い。凛々しいお姉様然としていたところからのデレヒロイン最高です。
全ヒロイン中最胸を誇る。

◇郁
外見的には一番変化しているだけに、その理由付けになる子供時代の主人公との関りをもって描いてほしかったです。優菜にもあるんですけど、学園生になってからのそのキャラ付け必要なのか？っていうのはちょっとあります。王子様ってなんやねん。
ここまでマイナス印象っぽいことして書いてないですけど、恋人になってからの可愛さは他ヒロインには決して引けを取りません。何より、エピローグの妻であり母になった郁は色気がすごい。
やはり胸はでかい。

◇優菜
これを言わずにはいられない。声がすごく好きでした。前述の通り七種結花さんのお声に馴染みがないからそう思うのかもしれないんですが、お声がサバサバしててこのヒロインの中に入ると普通の人の声のように聞こえるというか、甘くないんですよね。でも不思議と馴染んでてルートに入ると普通だったはずなのにすごく甘く可愛い声にもなるというか。あまり類をみないお声で、これから追いかけて他のキャラクターでの演技も是非聞いてみたいと思いました。
さて、キャラクター自身の感想に話しを戻すと優菜はあのキャラと見た目に反して実はエッチ大好きキャラクターというのがギャップで突き刺さります。生粋の巨乳派閥の私ですら胸を度外視して好きになるほどの魅力を秘めていて、それだけに後述のエッチシーンテンプレート展開問題が悔やまれる。ドロドロになるまで優菜のシーンが見たかった。。。
他ヒロインのでかさが並じゃなく、優菜の貧乳もこういう作品にはめずらしいちゃんとした貧乳なのですごく貧乳感がある。でも好き。

◇静流
想像以上にデレデレでベタベタになる静流が最高過ぎる。いわゆる萌えゲーキャラゲーだと付き合いだしたら無意味に連発されるエッチシーンに辟易しますが、それまでの関係性をしっかり描いている本作だからこそ、それに近いエロに染まったキャラが一人くらいいてほしかったその筆頭。CV. 花澤さくらさんが最高過ぎるんですわ。他ヒロインにはない、全体的にすごくやわらかそうな体の持ち主。
とにかくでかい。

■エロス
全ヒロイン４回ずつです。シチュエーションで見ると特殊なプレイはほぼないんですが、どのシーンも割と現実的な場所で致しているのが個人的にポイント高いです。イチャラブゲーでよくある、そんなところでしてたら誰か来るよね？っていうのがなかったのが非常に嬉しい。そしてHOOKSOFTお馴染みの全裸・半裸選択機能ですが、本作ではデフォルトが半裸選択されているんですが、これは半裸というよりはまさにデフォルトで、テキストに合わせて全裸になったりもします。そもそもこの場合半裸で正しいのかっていう問題もありますが、テキストとCGが合っていてほしい私としては今回みたいにあくまで全裸をおまけくらいでいてほしいです。ただ、選択に併せてテキストも変えられるというのなら、それはより素晴らしいものになると思いますが、その場合はシーンの最初から最後までの流れも違和感なくしてほしいので、一部テキストを置き換えるのみとかだとちょっと、、という感じです。
で、肝心のエッチシーンなんですが、個別で見ると各ヒロインそれぞれ違った良さがあって、かつ全体的に演技もよくて私はかなり好きでした。これは単に声優さんの演技がいいというだけでなく、ここでも子供時代から描いていて各ヒロインがキャラクターとして厚みがあるという部分がいい意味で作用し、日常とエッチな部分のギャップをより感じられるおかげではないかと思います。
それとは別にあんまり嬉しくない部分もあって、一人のヒロインだけを見る分には上記の通りなんですが、一回落ち着いて全キャラのシーンを並べてみると内容は違えども同じようなエッチの展開の仕方しかないんですよね。初回はイチャイチャして挿入、２回目からは最初に手 or 口 or 胸 or その他で一回出して、２回戦で挿入。他の作品の感想でも言ってますが、エッチシーンの回数すらキャラ毎で合わせる必要はないと思っている私としては、機械的にも見える同じ展開の仕方はちょっと苦痛でした。一人二人挿入だけで３回も４回もとかいてもいいのに、なんでみんな同じような展開なのよ。。

■ボリューム
共通が５時間から５時間半、個別が２時間半くらいでしょうか。共通も学園パートではけっこうヒロイン毎の選択肢と下校パートがあるので共通の周回もそこそこかかります。なので、ヒロイン毎でみるとわりとボリュームあるように感じます。

■クオリティ
まずは基本的な機能のところから。私が欲しい必要最低限は揃っていますのでさらっと流して本作特有の部分に注目していくと、エッチシーンの項目でも挙げたHOOKSOFTお馴染みの半裸・全裸選択。これは前述の通りです。エッチシーンで選択肢がある場合は必須の常に中に出す・外に出すも完備しているので、初期に設定済みならプレイ中その部分を全く気にすることなく進められるのはありがたい。個人的にないと地味に辛いのが右クリックの操作の割り当て変更で、私はウィンドウ消去にしたい派閥なので本作にも完備されていたのは嬉しいところ。そして本作特徴の一つとしてあげるならこれは外せない、リップシンクです。立ち絵の口の部分がセリフに併せて開いたり閉じたりする機能で、しゃべっている感じが出るのはあると嬉しい機能ですね。ただこれ、セリフ横のサブウィンドウには適用されないのが良いのか悪いのか、標準立ち絵ではない特定の表情がある立ち絵では機能しないのが良いのか悪いのか、今後ブラッシュアップする余地がありそうです。
そして反対になくて残念だった機能です。最近ついている作品も増えてきている感のあるボイス登録機能。そのシーンでセーブすればいいだろという意見もありそうなんですが、１セリフだけ何回も聞きたい場合もあるのでこれは検討してほしいです。また、本作はクオリティ面で大きく貢献している立ち絵の服装の豊富さがあるので、立ち絵鑑賞機能はぜひ欲しかった。各ヒロインのおめかしした服装とか寝る時の服装とか、じっくり眺めたいですよね。
下校パートの１対１であるとか好感度表示であるとかリップシンクであるとか、新しいことに取り組みつつも基本であるシナリオ・立ち絵をおろそかにしない本作の作品としてのクオリティは非常に高いと思います。また、コンセプトの根幹にある子供時代を描くことで与える効果が、これほど色んなところにいい影響を及ぼすとは思いもよりませんでした。それだけに兎毬ルートに少し残念さを覚える部分がなくもないですが、それを補って余りある全ヒロインの可愛さは必見です。

コンセプトが気になった方、ヒロインの見た目が気になった方、可愛いヒロインとイチャイチャしたい方、ありきたりなキャラゲーに飽きた方、全ての方に自信をもっておススメできる作品です。

思い出抱えてアイにコイ！！